当グループは、広い意味での環境調和技術への貢献を目指して、基礎となる新しいマテリアルの合成からその応用まで広く研究を行っていきます。 そして、その成果を学会発表や論文発表を通して世界にアピールしていきます。 そのため、学生にとっては忙しいながらも、研究者・技術者・社会人になるために必要な資質を成長させることができ、非常に有意義な研究室生活を送れるはずです。
研究を行っていくなかで、壁にぶち当たり、なかなかうまくいかないこともありますし、どうすればうまくいくのか分からず自信を失うこともあります。 これは当たり前のことです。できなかったことをできるようになる、これが成長であり、そうなるにはそれ相応の努力が必要になるからです。 それだけではなく、時には忍耐や根性も必要になってきます。 当グループでは、このような困難をただただ耐えるのではなく、教員や同期の学生、先輩と一緒に、一生懸命楽しみながら乗り越えられる、そんな活発な研究グループを目指しています。 それは、皆さんがゆくゆくは送るであろう、会社員等の社会人生活に通じるものがあると思っています。 例えば会社でも、どうしようもない困難に直面し、苦しい時が沢山あるでしょう。忙しくて辛い時もきっとあります。 でもそんな時、くじけずに頑張っていると、同期や先輩・上司がきっと助けてくれます。 当グループでも、そんな良い雰囲気で活発に研究を行っていければ良いと考えています。 研究室の同僚と和気あいあいと活発に議論しながら、研究を一生懸命頑張りたい学生、研究を通じて一流の技術者・研究者・社会人になりたいという向上心を持った学生ならば、きっと楽しい研究室生活を送れるはずです。
また当グループでは、前述した通り基礎から応用まで広く研究を展開していきます。 それ故、コロイド化学・電気化学・光化学・材料化学・分析化学等、様々な学問領域に触れながら研究を行っていくことになります。 これはきっとこれからの研究者・技術者にとって必要な専門的な広い視野(僕はこれを千門家という造語で表わしています)を身につけるのに必要なことだと思っています。学生は、きっと素晴らしい研究経験を得ることができるはずです。 「こういう応用に結び付けたい」「こんなことができるんじゃないか?」と、日々教員や学生と議論し新しい研究を提案していく——そんな積極的な学生を歓迎しています。
進路指導委員として学生に接していて良く感じることの一つに「漠然とした欲求しか持っていない学生が多い」ことが挙げられます。 「営業が嫌だから研究職が良い」「人と接する仕事が良いから研究は嫌だ」こんな言葉を良く聞きます。 こんな気持ちで日々を送っていてもなかなか自己を成長させることはできません。まずは「明確な目的意識」を持って下さい。 例えば「将来こういう研究をして、こういうものを開発して、世の中にこういう貢献をしていきたい」という明確な目的意識を持って生きている人と、「これは嫌だからこういうことがしたい」と漠然と考えて日々を送っている人がいたとします。 どちらが成長する人か、答えを言わずとも分かるのではないでしょうか。
そして、明確な目標を持ったらすぐに行動して下さい。 最初のうちは行動すればするほど自分に足りないものが山ほど見えてきますし、途方にくれるほど失敗を重ねるかもしれません。 しかし皆さんはまだまだ失敗が許容される年齢です。行動してどんどん失敗して下さい。 その先にはきっと成功と成長が待っています。逆に、行動しなければ何も生まれません。人生においてこんなに勿体無いことはないと思います。
さて、当グループでは、アグレッシブな学生は非常に多くのものを身に着けることができると思います。例えば以下のようなものが挙げられます。
当グループでは学生と教員間の距離を近くして研究活動を行っています。 極力、学生とのディスカッションする時間を大事にしています。 それ故、研究を進めれば進めるほど、そして失敗すればするほど、その学生と教員との議論が活発になります。 その議論を通して、合理的な物事の考え方・客観的なデータの見方を成長させることができます。 これは研究を通した一つの資質研鑽です。もちろん研究の世界だけではなく、他の業界・社会でも十分に通用する能力です。
当グループの教員(僕のことですが)は若く、まだまだ研究者としては駆け出しです。 しかし、明確な目標を持ってアグレッシブに行動しているつもりであり(僕の少し変わったプロフィールを見て下さい)、研究者としての資質を磨くために日々努力しています。 このような教員と大きな目標を持ってアグレッシブに研究に取り組むことにより、研究者としての知識・スキルを身につけることができます。
研究報告書に限らず、社会において重宝される書類は「簡潔かつ分かりやすい」書類です。 当たり前なのですが、これがなかなか難しいのです。分かりやすく書こうとすると文字が多くなって簡潔ではなくなる。 逆に簡潔に書こうとすると分かりにくくなります。こういう時、表や図等を駆使する必要も出てきます。 こういったレジュメを書く能力を、頻繁に行われるグループミーティングを通して身につけてもらいます。
⇒当グループでは、上記したような日々のディスカッションに加えて、1週間に1度のセミナー・2週間に1度のグループ・ミーティング・定期的に開かれる大月Gとのセミナー等、様々な研究発表の場を設けています。 自分の研究内容・進捗を全く知らない人に決められた時間内に説明して納得してもらう。 非常に難しいことですが、非常に重要な能力でもあります。是非このような機会を活かして伸ばして下さい。
⇒当グループの研究は、国内外の研究者と競い合いながら“世界初”を目指す内容です(まだまだ僕の力が足りませんが)。 各個人に重要な研究テーマが与えられ、もちろんどうでも良いテーマ等ありません。 それ故、各個人の研究に対する責任がある程度大きくなります。 しかし、同僚や先輩と活発に議論しながら一生懸命打ち込むことで、きっとその責任が誇りになり、楽しめるようになるはずです。 この経験から得られる“責任感を楽しむ能力”は、ストレスフルな現代社会において非常に重要な能力であると思います。
⇒友達とではなく、仕事仲間とうまく連携して研究(仕事)を進められるようになることも非常に重要です。 当グループではもちろん各個人に研究テーマが与えられますが、先輩や同期と似た技術が必要になることも多いと思います。 同僚から知識やスキルを学び、また自分が得た知識やスキルを同僚に与える。このような経験を通して信頼関係で結ばれる連携能力を身につけて下さい。 きっと、身につけられるのはこれらだけではないと思いますが、得られるものがもっと大きな研究グループを目指します。
若輩者の僕が言うべきことではありませんが、研究とは非常に奥深いものであり「一日にしてならず」です。 これは、一端の研究者として認められる博士号をとるには、通常6年の課程が必要(学部4年の1年間+修士2年+博士3年)なことからも容易に想像できます。 そんな中、4年の一年では(就職活動の時間を差し引くと数カ月程度ともっと少なくなるでしょう)ようやく研究の面白さが分かってきた時には卒業です。
個人的な意見ですが、これでは勿体ない気がするのです。 コストや社会事情を度外視して(というと語弊がありますが)純粋にサイエンスを楽しめるチャンスは人生において早々ありません。 その数少ないチャンスの一つが大学・大学院での研究活動なのです。皆さんは社会に出て仕事する時間はこれから非常に長い(約40年くらいですか)。 社会に出るに当たって必要な資質を研鑽しながら、純粋なサイエンスを楽しむ大学院進学を大いに利用してもらいたいと考えています。
進学先が僕のグループであれば嬉しいですが、別に他大の大学院でも良いと思っています。 更に、現代社会では、研究職や開発職に就くにあたっては当り前のように修士課程卒業者以上と言っている企業が多いのが実情です。 一流の研究者・技術者として成長したい人は、是非このチャンスを活かして下さい。
そして当グループでは、世界に通じる研究成果を目指しています。 向上心のある学生が成長意欲・研究意欲を満足させ、充実した時間を過ごすことができる研究を展開していきますし、それこそが当グループの使命であると考えています。 また、希望のある学生は(時には望んでなくても)学会や研究会での発表を行って頂きます。 国内外の大学の研究者とディスカッションする場も多く提供していきたいと考えています。