高分子工学研究室
日本大学理工学部 物質応用化学科
高分子工学研究室とは
Fig. 1金丸競博士とKratkyカメラ式X線小角散乱装置 本研究室は,1961年に接着の世界的権威である金丸競先生が創設されました(Fig.1).日本で最初に導入したKratkyカメラと呼ばれるX線小角散乱装置のノウハウを蓄積し,高エネルギー加速器研究機構の放射光X線小角散乱のビームラインの建造にも携わってきました.
Fig. 2 高分子工学の研究分野 高分子材料は工業化が始まり1世紀、現在では梱包資材やゲルなどのソフトマターとしての用途のみならず、高分子のかたちの多様性(一 次構造、二次構造、高次構造や分子量分布)”高分子らしさ”を巧みに利用した新規機能性材料の開発が行われている。当研究室では高分子物質の高度利用を構造と物性の関連に焦点を当て、新規塗料や洗剤の開発に欠かせない溶液中でのミセルの自己組織化挙動の解明、高機能樹脂材料の開発のために有機/無機ハイブリッドやポリマーコンンポジットによる材料開発、高分子と異種材料のコラボによる新規材料開発などを行っています(Fig. 2).
Fig. 3 分子構造解析を行うX線小角散乱装置
構造解析の手段としてX線・中性子小角散乱法(Fig. 3)やX線広角回折を用い、溶液中でのミセルなどの分子の形状、高分鎖の広がりや高分子間相互作用、高分子個体中の結晶などの大きさ、配向などの解析を行っています。 今後の高分子材料は生体機能をつかさどるタンパク質のアッセイ技術の応用や自己組織化を応用した電子デバイス作成のための基礎技術として幅広い分野での応用が強く進められており、その可能性は拡大傾向にあります。高分子を用いた新たな技術創出が求められている背景で、高分子工学研究室は高分子の”かたち”を テーマにこれまでにない新たな複合材料や応用技術の開発を行うことで科学技術の発展に寄与したいと考えています。スタッフとして今年度新たに助手と客員研究員を迎え、バイオマテリアルや高分子の成形技といった新規分野への参入にも精力的に行います!!