日本大学理工学部 物質応用化学科 無機材料化学研究室

研究内容

1.カルシウム化合物のキャラクター制御

 炭酸カルシウムは日本で唯一供給可能な資源である.これを原料として合成できるカルシウム化合物(セッコウ,炭酸カルシウム,ケイ酸カルシウム,リン酸カルシウムなど)に注目し,これらの粒径,形状および組成などのキャラクター制御を行っている.

2.超音波を用いた液相反応

 超音波を水中に照射すると,撹拌よりも反応速度を速めることができ,それにより微細な粒子を得ることができる.このことを利用して,これまでに炭酸カルシウム,水酸アパタイトのナノ粒子の合成に成功している.研究室内に防音室を作り,その中で研究を行っている.

3.蛍光体の合成

 母体に付活剤を添加して紫外線,可視光などを照射して発光する物質を蛍光体という.現在では,白色発光する蛍光体の合成を行っている.また,光照射などの外部刺激を取り去っても発光する物質を残光(蓄光)蛍光体という.現在,赤色残光する残光蛍光体の合成に特化している.

4.廃棄物および未利用物の再資源化

 建物を壊す際にコンクリート廃材,セッコウボード廃材などが発生する.これらを元の原料あるいは新しい材料として再資源化することを行っている.一例としては,セッコウボード廃材中の二水セッコウを大形化することに成功している.

5.テンプレートを使用した球状中空粒子の合成とその触媒への応用

 規則性構造体の1つである球状中空粒子に着目し,種々の金属や金属酸化物についてナノレベルで規則的な形状や構造を持つ材料をデザインし,燃料電池などに使用する水素の製造,二酸化炭素から有用物質の合成,一酸化炭素などの不純物除去などへの応用をめざし,その触媒機能に対する影響を系統的に研究している.