有機応用化学特論Q&A 041008


Q:脂肪酸メチルエステルは不飽和度が高くなるほど(構造中に二重結合があるほど)   融点が下がるのはなぜでしょうか? A:二重結合は電子密度が濃いので,マイナス同士反発するからだと思います.   改めて考えると,ちゃんとした説明を読んだことないですねぇ.どっかに書いてあっ   たら教えてください.
Q:今回のテストでCDを無機物だと勘違いしていました。有機物と無機物ってなんと   なくは区別つくんですけど何か決定的な違いというか見分け方ってありますか?あっ   たら教えて下さい。 A:有機物というのは炭素化合物ですから,普通のプラスチックはみんな有機物です.   でも一般的な感覚だと生物由来のものが有機物ですから,間違えやすいですね.
Q:シクロヘキサンには、いす形の他に舟形もあるのですが、舟形にもアキシアル水素   とエクアトリアル水素はあるのですか?   室温でいす形⇔舟形になったりするのでしょうか?舟形についても詳しく知りたい   です。 A:一般的には舟形ではアキシアル,エクアトリアルという区別はないと思います.   室温でもいす形⇔舟形は起こっているはずです.
Q: 昨日の授業では確認テストをやってもらったので基礎有機の知識が思い出せたので   良かったです。講義では、アルカンは球形に近くなるとvan der Waals力が小さくな   り沸点が低くなるという事ですが、シクロアルカンの場合は分子量が増えるにつれ   て球形に近づいてると思いますが、球形と沸点に関する定義はシクロアルカンにも   当てはまりますか? また、置換基の場所(オルト、メタ、パラ)によっても沸点、   融点は異なりますか? Q:アルキル基の名称の問題で―CH(CH3)2 をイソブチル基と言っていましたが,   イソプロル基(マクマリーで確認)ですよね? アルカンの分子量が増えるに従い   沸点や融点が高くなるのはvan der Waals力が大きくなるということは,シクロアル   カンの場合にも当てはまりますか?その他の力も関係していると思うんですが? A:原則的にはシクロアルカンにも当てはまりますが,環状だと結合角のひずみなども   影響するのは単純ではないです.置換基の場所でもほんのちょっと変わると思いま   す.
Q:エチレンの精製なのですがエタンから,または石油留分のナフサ分解によって製造   するとあったのですが、こちらは熱分解法とどのようなメリットとデメリットがあ   るのでしょうか?   また、研究でアミノ酸をやっているのですがそこでキラルカラムの事がでてきたの   ですが、キラルカラムというのはL,D型のアミノ酸をHPLCの時に区別できると聞きま   す。どのような物質がこのカラムの中に入っていて区別できるのでしょうか? A:熱分解法のメリットとデメリットは専門家(澤口先生とか?)に聞いてください.   キラルな物質を分離するにはキラルな物質との相互作用が必要なので,DかLのど   ちらかだけを含むような物質が使われます.
Q:8番の問題で炭素鎖が長くなるにつれ、分子の表面積が増大するという内容でしたが、   その根本の理由としては、分子内での炭素鎖の絡み合いによる表面積の増加というこ   とでよいのでしょうか? A:長くなれば表面積が大きくなるのは当然ですよね?「炭素鎖の絡み合いによる表面積   の増加」というのは意味不明です.
Q:アルカンの沸点や融点は分子量が増えるにしたがって高くなるとあったんですが、マ   クマリー上の第5版のP88、図3・4を見てみると炭素数が3の所で融点が下がっています。   これは何故でしょうか?   また、聞き逃しただけかもしれませんが直鎖のものと分岐したものではどちらが沸点   もしくは融点が高くなるのでしょうか? A:融点は結晶形とかまた違った要素があるんじゃないかと思いますが,わかりません.   分岐したものの方が表面積が小さいので沸点や融点は低くなります.同じページ(   P88)に書いてありますよ.
Q:有機化学における「極性」には,その分子を構成する原子の電気陰性度が関与するわ   けですが,電気陰性度以外にその分子の極性を決定する要素はないのでしょうか?   というのも,一般にカルボニル基(C=O)は,炭素(2.5)に比べて電気陰性度の大き   い酸素(3.5)がマイナスになります.   一方,チオカルボニル基(C=S)については,炭素,硫黄ともに2.5であり,極性を持   たないように思われます.   ところがこの構造をもつ化合物(チオアルデヒド)は,分子内で多量化してしまうほ   ど硫黄原子がマイナスになっています.   このことについて教えてください. A:単結合ではないので,電気陰性度以外にπ電子雲の影響が大きいんじゃないかと思い   ます.
Q:アキシアル結合とエクアトリアル結合では、エクアトリアル結合のほうが安定ですが、   どのくらい安定度が高いのですか?? A:マクマリー第5版上P.123
Q:前回、分子中にキラル中心の炭素を見つける問題を解きましたが、一般的にキラル中心   をもつ有機化合物はどのような特性を持ち、どういった用途が あるのでしょうか?   アルカンの分子量が大きくなると表面積が大きくなり沸点、融点が高くなる とのことで   したが、高分子にも同じことがいえるのでしょうか? Q:分子量の増大に伴い沸点又は融点が上昇するのはアルカンに限った事なのですか。 A:キラル中心をもつ有機化合物には鏡像異性体があるだけd,「一般的」な特性や用途は   ないと思います.   表面積と沸点,融点の関係は高分子やそれ以外でも同じですが,官能基があったり,多   重結合があれば,その影響もあります.
Q:問題8に関連して、アルカンの沸点や融点は、分子量や構造から、正確に予測出来るので   しょうか?どの程度正確に予測出来るのでしょうか? A:最近はかなり正確に予測できるんじゃないでしょうか.どの程度かはわかりません.
Q:有機化学の世界では研究室、製薬工業、化学工業を中心として新たな有機分子を合成する   ことを行っていると聞いたことがあるのですが、合成経路中の反応の仕方(どの置換基な   どの様に働いているのか等)や生成物質の構造(水溶液中での原子の立体配置や電荷状態   等)、特に反応中間物質はどのようにして明らかにしているのですか?それと新たな有機   物質などの利用方法はどの様にして解るのですか? A:大学院生ならそういうことをいつもやってるんじゃないですか.
Q:アルカンの沸点や融点が分子量が増えるにしたがって高くなるのは、理解できるのですが、   変化の度合いというのは比例的に上がっていくものなのでしょうか?   ファンデルワールス力や表面積が小さくなることが関係あるとしたら、直鎖の分子が立体   構造をとることにより、より表面積が大きくなり、比例的に上がっていくのではないかと   思いました。 A:分子量と表面積は直鎖ならば比例しますから,そう思えますが,マクマリーのP88のグラフ   を見ると大きくなると寝てきますね.きっとファンデルワールス力以外の要素があるんで   しょう.
Q:前回の授業でいただいたプリントの内容と多少違った内容の質問になってしまうんですが、   自分の現在行っている実験でポルフィリンにC22という長いアルキル鎖をつけようとし   ています。   市販で購入できるアルキル鎖で一番長いのはC30らしいのです。C30のアルキル鎖は   少量でもとても高価で試薬会社の技術的にも作るのが難しいのではないかと思われます。   それ以上長いアルキル鎖というのは実験室レベルで(学生でも)作れるのでしょうか? A:まったく分かりません.   が,製薬会社がつくれるかどうかというのは単純にコストと売れるかどうかで決まります   から,実験室レベルで労力と工夫次第でできる可能性はあるかもしれません.
Q:先週は有機化学再入門を受けさせていただきましたが、恥ずかしながら全く忘れてしまっ   たのか、ただ分かっていないだけなのか、ぼろぼろでした。しかし、なんとか食いついて   頑張りたいと思います。問題の中でアルカンの沸点や融点が分子量が増えるにしたがって   高くなるのはなぜか、とゆう問題がありました。アルカンの分子量が増えるにつれ、沸点・   融点が高くなる特徴は知っていたのですが、なぜ表面積が関係してくるのでしょうか?イ   メージ的に良く分からないのですが・・・ A:教科書をよく読んでみましょう.
Q:長鎖アルキル基を持つ分子を溶媒留去した時、アルカンの性質から言って固体になるはずが、   油状になります。これはアルキル鎖に溶媒が絡むまたは相互作用があるからですか? A:溶媒を完全に除けてないならば,そうでしょうね.
Q:問4の、-CH(CH2)3の問題で答えはイソプロピル基でいいのではないのでしょうか?炭素は   この場合3個しかないからブチルとは言えないのではないでしょいか? A:間違えました.ごめんなさい.
Q:アルカンの沸点や融点が分子量が増えるに従って高くなるのはなぜか。という問題で炭素鎖   が伸びると分子どうしが絡みやすくなり分子が運動しにくくなるので融点や沸点が上がると   予備校で習った記憶があるのですがこれは正解ですか?そらに単純に分子が重くなると分子   が運動するために物理的にたくさんの熱エネルギーが必要なので温度は上がると思うのです   がどうですか? A:「絡みやすくなる」というのもある意味ではファンデルワールス力です.   運動するためのエネルギーというのは直感的に分かりやすい説明ですが,たぶん違うと思い   ます.
Q:3の英語が正解率50%でした(10問中5問)。化学系の専門の英単語辞典などないでしょうか?   おすすめな本があれば教えてください。 A:よく使われるのは化学同人の「活用辞典」 http://www.kagakudojin.co.jp/library/ISBN4-7598-0826-4.htm   ですね.
Q:問題6について質問なんですが、研究の過程で、芳香環のついた化合物を、見かけるようになっ   たのですがその時の名前では、アレーンという呼び名はなく、たいていの場合がフェニル基や、   アリール基というような、ほかの表現で表されているのを良く見かけます。   そこで、質問なんですが、アレーンと、フェニル、アリールなどの、決定的な違いはあります   か?   また、そのように表現の仕方を変えるのに、何か意味はあるのでしょうか? A:アレーン:芳香族炭化水素の総称   アリール基:芳香族炭化水素基の総称.   フェニル基:1価のアリール基(ベンゼンから水素を1つ除いた残基)
Q:キラル中心という内容が7番の問題の中に出てきましたが、キラル中心の炭素を持つ分子を   選択的に合成すること、もしくは分離することは可能なのでしょうか? A:野依先生はそれでノーベル賞をとりました.
Q:アルカンの沸点や融点が分子量が増えるにしたがって高くなるのは、分子の表面積とファン   デルワールス力の影響であることはわかったのですが、共有結合の数が増えるためという回   答は不適でしょうか? A:共有結合の数が増えるというのはアルカンでは炭素数が増えるのと同義じゃないですか.
Q:9番の問題の答えの中で、官能基はアルファベットの順で書く。というのも反していると思う   んですが、主鎖でメチルとエチルがなくなるから言わなかったのですか? A:あ,そうですね.気がつきませんでした.その通りですね.
Q:3.の日本語を英語にする問題の「結合」についてです。答えは「bond」でしたが、「binding」   でも正解になりますか A:まあ正解でしょうね.
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