有機応用化学特論Q&A 040116
Q:バイオインフォマティクスでたんぱく質を立体画像にするとのことですが、
立体画像にすることによってどのようなメリットがあるのですか?
A:立体構造がわかることにはもちろん意味がありますよね.それを立体画像に
すれば理解しやすいと思いますけど.
Q:P24の「有用微生物のCADに向けて」で、生命の設計図シミュレーショ
ンであるバーチャル細胞を作って、実際の細胞のシミュレーションと比較す
ることに有用性があるといった話があったと思うのですが、比較することに
よって具体的にどういったことが分かるのかよく理解できなかったので教え
てください。
A:バーチャル細胞の精度が上がってくれば,生命のしくみを解明するのに役立
つからでしょう.
Q:細胞のモデル化など多くの研究が為されているが、将来人間の内臓などを作
り移植ということはあるのでしょうか?その場合、酵素は作ることができる
のでしょうか?
A:内蔵などヒトの器官だけを作ろうという試みはすでに研究されてますが,倫
理的な観点から禁止されていることもあります.
酵素はタンパク質ですから,原理的には合成可能ですが,生体から精製した
り,遺伝子工学で作る方が簡単でしょう.
Q:先週の講義なのですが、あまり内容がわかりませんでした。できたらもう一
度教えて欲しいです。
A:見たかったら講演のビデオテープを貸し出します.授業中に見てもらっての
は動画ファイル(MPEG-2)もありますから,欲しかったらコピーします.
また,僕に訊きたいことがあったらいつでも研究室に来てください.
Q:「有用微生物のCADに向けて」で赤血球細胞の病気のシミュレートについて
です.酵素に関して,酵素を精製し速度論パラメーターの解析は行っていく
とありましたが,シミュレートで酵素を与える時の細胞の周りの条件も細か
く設定しているのですか?
A:当然そうでしょうね.
Q:私はD-アミノ酸に関する研究をしているのですが、タンパク質はL型ででき
ています。タンパク質がD-アミノ酸で構成されていてもかまわない気がする
のですが・・・。
A:理論的には生体内のタンパク質もすべてD-アミノ酸でできていればかまわな
いです.でも現実にはすべて(ほとんど)L型ですから,かまいますね.
Q:バイオインフォマティクスはすでに実際の医療現場などでも活用されている
のですか?
A:実用化されている技術もあります.
Q:スライド中に、U-13C,I-13Cという表記がありましたが、これはどういったも
のでしょうか?
A:今ざっと見直してみたんですが,どこに出てきたか発見できませんでした.
たぶんバーチャル細胞の機能の1つを表す記号じゃないでしょうか.
Q:バイオインフォマティクスは今後どういった発展を遂げていくのでしょうか?
A:計算速度の向上で,より正確なシュミレーションができるようになるといっ
たことでしょう.
Q:DNAから情報を読み取り、その人の今後のかかりそうな病気等予測すること
はできるでしょうか?
A:もうすでに行われています.
Q:細胞のモデルを使った研究がありましたが、モデルと本物との隔たりはあま
りないものなのですか。有るとしたら、どのように本物と比べるのですか。
A:隔たりはかなりあるでしょう.比べ方は刺激に対するレスポンスで比べるの
だと思います.
Q:世界で一番大きい細胞を持つものは何で、どれくらい大きいのですか?
A:さあなんでしょうねぇ.思いつく限りでは,ダチョウの卵の黄身かな.
Q:親と子供や兄弟、とくに双子などは顔などの外見や性格などの内面が似てい
るところがあると思いますが、それはDNAが遺伝などによって似ているた
めに起こることなのですか?
A:もちろんそうです.一緒に生活していることによる影響もありますが,そう
いう影響によって伝わっていくものはミームと呼ばれています.
Q:病気になると遺伝子がかわるのですか?それとも生れ付きその病気になる遺
伝子をもっているものなんですか?ただの風邪にもバイオインフォマティク
スは使えるのですか?難病に限るのですか?
A:病気によります.ガンは遺伝子に損傷を与えることもありますし,生まれつ
き特定の病気になりやすい遺伝子を持っている人もいます.
Q:バイオインフォマティクスについて質問なのですが、立体構造の予測で原子
などの情報から立体画像を描くとプリントにかいてありましたが、その立体
画像がどんなものかいまいち予想がつかないので一般的にどういった立体画
像が描きだされるのか教えて下さい。あと、その画像から読みとれる情報を
どのように役立てているのですか?それは例えば、情報からパズルみたいに
はめこめるものを設計していったり、または解析により、何か活性のある官
能基みたいなものを探しあてていくのですか?
A:立体構造は普通の3D画像として得るだと思います.画像からは活性部位など
の予測ができるでしょう.
Q:バイオインマティクスは、学問として大学などで教えられているのですか?
A:生物科学系では相当数の大学で教えられています.
Q:就職において、会社選びで最も重要なことはなんだと思いますか?参考にお
聞かせください。私は規模も大切だと思いますが、自分のやりたい事がやれ
る会社を探すことが大切だと思います。
A:まったくその通りだと思いますが,そのためにはまず「自分のやりたい事」
がはっきりしてる必要がありますね.また正確な自己評価をもとに,採用す
る可能性のある企業の中から選ぶことも大切だと思います.
Q:将来的にテイラーメイド医療の研究も本格的なものになっていくと思います
が、副作用が少なく効果の高い治療が可能になるのではないかと考える一方
で、遺伝子組代え食品を食べると何十年後かに体になんらかの影響が出てく
るという話をきいたことがありますが、これと同様にテイラーメイド医療を
行った人の遺伝子を受け継いだ子供達などに対するなんらかの影響は考えら
れるのでしょうか。
A:遺伝子治療は体細胞の遺伝子が対象で生殖細胞には手を付けないので,子孫
への影響はないはずです.
Q:アミノ酸から細胞などのモデル化をするなら、近い将来人間の一部(皮膚な
ど)を作り出すことが可能になるのでしょうか?
A:「アミノ酸から細胞などのモデル化」というのとはあまり関係ないと思いま
すが,人間の一部を作ることはすでに可能です.ヒトの耳を背中に生やした
マウスは有名ですし,体細胞クローン(技術的には可能でしょう)はその人
の部品一式です.問題なのは技術ではなく,倫理でしょう.
Q:最近アミノ酸入り飲料が流行っていますが、アミノ酸は日常の食事で十分摂
取できるはずなのにポカリスエットみたいな飲み物にわざわざアミノ酸を入
れる意味がわかりません。何か特別な効能などがあるのでしょうか?
A:日常の食事で十分摂取してるのはタンパク質ですよね.もちろんタンパク質
はアミノ酸がペプチド結合してできていますが,アミノ酸の状態で摂取する
ことに意味があるようですよ.また不足している特定のアミノ酸だけ効率よ
くとることもできますよね.
Q:ゲノムの解読法には,何か法則のようなものがあるのでしょうか?
A:塩基配列の解読は解析装置を使えば自動的にできるくらい確立してます.
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